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日语阅读短文-空港のコアラ

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  空港のコアラ(4)

  仕事で博多に出かけていた。日曜日の最終便で東京に戻るため、私は空港で搭乗手続きをとっていた。

  その時である。空港ロビーを揺るがすような、子供の泣き声が聞こえてきた。搭乗手続きの乗客はもとより、係員まだが思わず手を止めてその子供を見たほどである。子供は四歳くらいの男の子で、両親は困り切っている。立って泣いていたその子は、突然床に大の字になり、大声で泣き叫びながら手足をバタバタさせ始めた。父親が懸命に何か言いきかせているのだが、いっこうに泣き止まず、声は大きくなるばかりである。

  こうなると、私も含めて周囲の人たちは眉をひそめだした。そのうちに、子供は父親の首にかじりつき、両脚をその背に回し、まるでコアラが木にしがみつくようにして泣きわめく。若い母親はじっとうつむき、何もしない。

  「あのお母さん、なってないわねッ」

  私の前に並んでいた老夫婦がつぶやいた時、子供の言葉がロビーに響き渡った。

  「お父さんも帰ろー!お父さんもいっしょー」

  私はハッとした。改めて見ると父親はジャンパーにサンダルばきである。明らかに妻子を空港に送りに来ている姿であった。

  「帰ろー!お父さんもー! ヤダー!僕ヤダー!」

  子供はコアラになったまま、大粒の涙をポロポロとこぼし、泣き疲れてかすれた声で叫び続ける。ロビーにいた人たちがシーンとなった。誰の目にも、父親は博多に単身赴任しているのだとわかった。なってないと思われた若い母親は、自分もおっとと別れが切なくて、うつむいて涙ぐんでいたのかもしれない。 搭乗の最終案内がアナワンスされるや、父親は力ずくでコアラを引き剥がし、後も振り返らずに駆け出して行った。

  子供を育てた経験がある限り、男たちは本気で不倫などできるはずがないと思うほうがいい。

  あの父親はこのクリスマスには帰れるのだろうか。

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