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日语阅读:「耳をすませば」剧本

  [主な登場人物]

  ■ : 月島 ■(つきしま しずく / 14歳).

  中学(ちゅうがく)3年生(ねんせい). 本作(ほんさく)の主人公(しゅじんこう).

  読書(どくしょ)が大好(だいす)きな女(おんな)の子(こ).

  好奇心旺盛(こうきしんおうせい).

  ■の父 : 月島 靖也(つきしま せいや / 45歳).

  図書館(としょかん)で司書(ししょ)としてはたらいている.

  ■の母 : 月島 朝子(つきしま あさこ / 43歳).

  社会人学生(しゃかいじんがくせい)として大学院(だいがくいん)に学(まな)んで

  いる.

  ■の姉 : 月島 汐(つきしま しほ / 19歳).

  大学生(だいがくせい). しっかり者(もの).

  夕子 : 原田 夕子(はらだ ゆうこ / 14歳).

  ■のクラスメイト. 恋(こい)の悩(なや)みを■に相談(そうだん)する.

  地球屋主人(ちきゅうやしゅじん) : 西 司朗(にししろう / 80歳)

  アンティックショップ. 地球屋のオ-ナ-.

  ム-ン : ■が出会(であ)った, 電車(でんしゃ)に乗(の)るへんなネコ.

  バロン : ■がお気(き)に入(い)りの地球屋にある猫(ねこ)の人形(にんぎょう).

  杉村(すぎむら / 14歳) : ■のクラスメイト.

  明朗活溌(めいろうかっぱつ)な野球少年(やきゅうしょうねん).

  天沢聖司(あまさわ せいじ / 15歳) : ちょっとイヤミな男(おとこ)の子(こ).

  ■の同級生(どうきゅうせい).

  高校(こうこう)へ進学(しんがく)せず, バイオリン職人(しょくにん)になるため,

  イタリアでの修行(しゅぎょう)を計画(けいかく)している.

  TAKE ME HOME, COUNTRY ROADS.

  < Words & Music by Bill Danoff, Taffy Nivert, and John Denver >

  < (C) 1971 by CHERRY LANE MUSIC PUBLISHING CO.,INC. >

  < Right for Japan controlled by EMI Music Publishing Japan Ltd. >

  Country roads, take me home

  To the place I belong

  West Virginia, Mountain Mamma

  Take me home, country road

  Almost Heaven, West Virginia

  Blue Ridge Mountains, Shenandoe River

  Life is older, older than the trees

  Younger than the mountain

  Growing like a breeze

  * Country roads,

  take me home

  To the place I belong

  West Virginia, Mountain Mamma

  Take me home, country road

  以下省略

  ■ : こんばんは.

  となりの夫人 : あついわね.

  ■ : ただいま.

  母 : ありがと... また ビニ-ル袋? 牛乳一本なのに...

  ■ : だって, くれるんだもの...

  母 : ことわれば いいじゃない... あ, あたしにも ちょうだい.

  ■ : お父さんは? 麦茶...

  父 : うむ, もらう... いま そっちへ いく.

  母 : ありがと. ワ-プロ あいた?

  父 : 今 プリントアウト中だよ...

  母 : やっぱり ノ-トワ-プロ買おうかしら...ハァ タバコくさい...

  父 : ■も 柏崎(かしわざき)へ 行けば よかったのに...

  ■ : いい, おねえちゃんとだと 疲れる...

  父 : ...そうだ...明日 出勤だった...

  母 : ワァ-ッ お弁当?

  父 : いいよ, 外食にする...

  わが図書館も ついに バ-コ-ド化するんだよ...

  準備に 大さわぎさ...

  ■ : やっぱり 変えちゃうの...わたしカ-ドの方が好き...

  父 : ぼくも そうだけどね...

  母 : ねえ, この文章 おかしいわよ...

  父 : エッ...どこ?

  母 : 一行 ぬけてるのかしら...ここ...

  父 : ...あっそうだ...いけね!

  母 : ああ...さきかして.

  いそいで これまとめなきゃ. 教授うるさいんだから...

  ■ : ............

  ...この人...

  父 : ■...本もいいけど 適当に 寝なさい...

  ■ : はい... おやすみなさい...

  ■ : .............やっぱり...

  見覚えある名前だと 思った...

  これにも...

  ......

  すごい! この人...みんな あたしより 先に借りてる...

  天沢聖司...どんな人だろう...すてきな人かしら...

  母 : しずく-っ! いいかげんに起きなさい!

  わたし出かけるよ-...なあにあなたそのまま寝てたの?

  お米 といどいてよ...

  ■ : いってらしゃ-い...

  ワッ! もう こんな時間!? 夕子と会うんだ!

  母 : おさいふ----

  ■ : なあに-? また下まで 降りちゃったの?

  母 : そう! おかしいな...

  ■ : 電話のとこは-?

  母 : あったァ!

  ■ : 自分で置いたくせに...

  母 : ヒャ- 遅刻する! 戸締まりしてよ...

  ■ : そこつ-

  ■ : はぁ-- ... わあ...ずい分ひく-い...

  (ぱく)

  今日はいいことありそう!

  (オ-シ-ッウック)

  ■ : ワ-ッ! あっつ-い...

  (バウ-ワウ- バウ-ワウ-)

  ヤッホ-! 元気だね...

  男学生 : 田中, とばせ---!!

  クラスメイト : オ-イ! しずく-っ!

  ■ : ヤッホ-! がんばってね-!

  (ガラッ)

  ■ : 高坂先生います~~?

  高坂先生 : あれ? 月島じゃん...どうした?

  ■ : センセ! お願いきいてくれますゥ?

  高坂先生 : な-に? 変なことじゃないだろうねェ...

  ■ : 図書室あけてください!

  高坂先生 : 図書室?

  高坂先生 : 次の開放日まで待てないの?

  ■ : みんな読んじゃったんです...市立図書館は今日休みだし...

  ■ : わたし休み中に20冊読むって決めたんです...

  高坂先生 : 20冊~~~!? 月島は かりにも 受験生なんだよ... ほれ早くしな...

  ■ : え-と...

  あった!

  高坂先生 : 早く特っといで! ほれほれ...読書カ-ドと貸出しカ-ドを出す出す!

  ■ : お願いしま-す...

  高坂先生 : ヒャア...なにこれ...今までひとりも 借りてないじゃん!

  ■ : 貴重な本なんですよォ-...市立図書館にもないんだから...

  (パラパタ)

  !?.......... アマサワ... センセッ! この天沢って人 どんな人か知ってます?

  高坂先生 : あ~~~ん...失敗しちゃったじゃないかァ!

  寄贈した人だろ, そんな古いこと わからないよ... べテランの先生に聞いてみな...

  夕子 : しずく-っ! あ-っもう! こんなところにいた!

  11時に昇降口っていったくせに... 15分も太陽の下にいさせて!

  またソバカスが増えちゃうじゃない!

  ■ : ご...ごめん...

  高坂先生 : コラコラ...さわぐな... 原田は気にしすぎなんだよ ソバカス...

  夕子 : 先生! あたし真剣に悩んでいるんです!!

  高坂先生 : あ- わかった...わかった... ほれ 2人共 出た出た...

  (バタン)

  男学生 : わかれ!! わかれ!!

  ■ : いちおうやってみたけど, うまくいかないよ... やっぱり 英語のままでやったら?

  夕子 : ~白い雲...湧く丘を...~

  ~~まいてのぼる 坂の町~...

  ~~古い部屋 小さなマド...

  ■/夕子 : ~~帰り待つ老いた犬...

  ~~カントリ-ロ-ド

  ~~はるかなる...

  ~~ふるさとへ つつく道~...

  ~~ウェストジ-ニア

  ~~母なる山...

  ~~なつかしい わが町~...

  夕子 : 悪くないよ...

  ■ : だめだ! ありきたり...

  夕子 : そうかなあ...

  ■ : こんなのもつくった...

  夕子 : ~~コンクリ-トロ-ド

  ~~どこまでも~...

  ~~森をきり 谷をうめ...

  ~~ウエスト東京 マウント多摩...

  ■/夕子 : ~~ふるさとは コンクリ-トロ-ド...

  (キャハハハハハ....あははははは...)

  夕子 : なァにこれ...

  ■ : で, なによ? 相談って? 訳詞はまだいいんでしょ?

  夕子 : ...うん... しずく...好きな人いる?

  ■ : えっ? (ううん.)

  夕子 : 両思いの人がいたら いいなって思うよね...

  受験だし, はげまし合って がんばれたらって...

  ■ : 夕子...好きな人いるんだ...

  (ボソ...ボソ...)

  ■ : ラブレタ-!? もらったの?

  夕子 : シッ! やだっ...

  ■ : いつ? どんな人? かっこいい?

  夕子 : 他のクラスの子... すこし... かっこよかった...

  ■ : つきあってみたら? それでいやならことわる...

  夕子 : ...でも

  ■ : ............ さては 他に好きな人 いるんでしょう!

  夕子 : エッ...

  ■ : かくしてもダメ! ホ~レ白状しちゃえ...

  夕子 : えっ...あ...す...す...

  杉村 : つきしまぁ~っ! オレのバッグとってくれる-?

  ■ : 杉村!

  杉村 : ね-, そこの青いスポ-ツバッグ! 頼むよ-月島-っ! それ投げてェ!

  ■ : うるさいなあもう! 万年タマひろい!

  杉村 : ひでェなあ, レギュラ-で三回戦 突破したんだぞ!

  ■ : 夕子!?

  杉村 : わぁ...っ!

  ■ : 杉村だったのかァ... 夕子の好きな人って...

  夕子 : どうしょう... わかっちゃったかもしれない... わたし あんな...

  ■ : 大丈夫だって, あいつ にぶいから... でも...どうするの? ラブレタ-の方は...

  夕子 : うん...もう少し ひとりで考えてみる...

  ■ : そっか...

  夕子 : いいなぁ, しずくん家は勉強, 勉強っていわなくて...

  ■ : あんまりいわれないのも つらい時あるよ...

  夕子 : そうかなァ...

  ■ : アッ!! いっけない...

  夕子 : どうしたの?

  ■ : 本, 忘れてきちゃった... あたし帰るね...

  夕子 : 乗っけてこ-か?

  ■ : イイ! 夕子塾 遅れるよ...

  夕子 : また電話するね...

  ■ : ン!

  (...タタタタ)

  ■ : は? ......

  男学生 : .........!?

  ■ : .......... そ...その本...

  男学生 : あ...! これあんたのか?

  ■ : (ウン)

  男学生 : ほらよ... 月島しずく...

  ■ : 名前, どうして...?

  男学生 : さて...どうして でしょう...

  ■ : あっ... 図書カ-ド...

  男学生 : お前さ...コンクリ-トロ-ドは やめた方がいいと思うよ...

  ■ : !...... ムッカ~~~! 読んだな-っ!

  ■ : ヤなヤツ...ヤなヤツ...ヤなヤツ... ヤなヤツ...ヤなヤツ...ヤなヤツ...

  (クシャ クシャ... グ...)

  (ポイ)

  ヤなヤツ...!!

  (カタ... ゴク...ゴク ...キュ)

  ■ : コンクリ-トロ-ドは やめた方がいいぜ...

  (バン-)

  なによっ !!!

  (ガチャ..-)

  姉 : ただいま-... はぁ...

  ■ : お姉ちゃん...? 今日たっだの?

  姉 : ひゃ-, 疲れた...

  ちょうど こっちへ車で帰る人がいたんで 乗せてもらっちゃった...

  お母さんは?

  ■ : 夏期集中講座だって... お父さんは出勤...

  姉 : しずく... 少しは片ずけな... 晩ごはんの仕度は?

  ■ : お米といどくの-...

  姉 : なァにこれ! しずく...ちらかしっぱなしじゃない!

  ■ : は... いま...やるとこ-...

  姉 : お母さん大変だから応援しようって決めたでしょう...

  (コト.. カタ.. カチャ..カチャ)

  お米といだら洗タク物しまって! シャワ- あびたら わたしがごはん作るから...

  (シャッ---)

  おばさんが高校生になったらしずくも来いって...

  ■ : ん...

  姉 : 勉強進んだ?

  ■ : ん...

  姉 : うちの親は何もかまわないからって安心してると... ひどいことになるからね...

  ■ : してるよォ!

  (ハハハハハハハハハ...)

  姉 : でね- おしょう油まで持たせようとするのよ...

  母 : おばさんらしいわねェ...

  (ハハハハハハハハハ...)

  たしか去年もそんなこと あったじゃない-.

  姉 : そう, おみそ持たされてさ, 重かったよ. 忘れないわ.

  母 : 2 キロぐらい あったよね.

  (ガ~~~ッ...ガ~~~ッ...ガ~~~ッ...)

  ■ : う~~~ん

  (ギュウウウン....ガ-------)

  (ジャッ)

  姉 : しずく! いいかげんに 起きな!

  自分のとこ ソ-ジキ かけなさい!

  シ-ツ洗うから出して! フトンも于すのよ...

  ■ : ん~~~っ...

  お母さんは?

  姉 : とっくに行った...

  姉 : さっさとかたづけて そのお弁当 お父さんに とどけてあげて...

  ■ : エ~~~ッ?

  姉 : なによ, その声... 図書館に行くんでしょ... かわりに あたしが 行こうか?

  しずくが トイレと風呂場に玄関そ-じして 生協に行ってくれるのよね?

  フトンを取りこんで 買い物をして 晩ごはんの仕度するのよ...

  ■ : 行ってきま-す...

  (ガチャ)

  姉 : しずく-っ!

  (タタタタ)

  姉 : これポストに出しといて-

  ■ : な-に?

  姉 : ポ - ス - ト !

  ■ : アァ............

  姉 : 見なくてい-のォ! クリップごと出すんじゃないよ!

  ■ : カレシ-?

  姉 : バカ...

  - つづく -

  {{耳をすませば

  }}

  (プシュ----ジリリリリリ.....ガタン...グゴゴゴ...)

  (ゴトン...ゴトン...ゴトン...ゴトン...ゴトン...ゴトン...ゴトン...ゴトン...)

  ■ : ネコ君...ひとり? ......!? どこまで行くの?

  外, おもしろい? オ-イ...答えてよォ...

  (ゴトン...ゴトン...ゴトン...ゴトン...ゴトン...ゴトン...ゴトン...ゴトン...)

  (キキトトト...)

  ■ : わたしここで降りるの...きみは? じゃあね, ネコ君...あ...

  子 : あっ...あっ...ネコ...!

  ■ : 図書館の方へ行く! あ~~~あ...せっかく物語が始なりそうだったのに...

  ....................

  いた-!!!

  ああっ! ..... すごい坂... どこまで登るのかしら... ハァ,ハァ... ア?

  ネコく-ん... ネコく-ん... このあたりに住んでいるのかしら...

  (ワン...ワン...ワン...)

  .....!? きゃっ!

  ネコく-んどこ行くの? この邊に住んでるの?

  丘の上にこんなところがあるなんて知らなかった...

  (ワン...ワン...ワン...ワン...ワン...ワン...)

  性わる-う...犬をからかってまわっているんだ...

  う-ん... わたしのことをからかっているのかも...

  こんなお店が丘の上にあるなんて知らなかった...

  すてきな人形... あなたはさっきの猫くん? ハ?

  (コトン)

  .....!?

  地球屋主人 : やあ... いらしゃい...

  ■ : あ, あの...

  地球屋主人 : あ, いや... あ, そのまま...そのまま...

  自由に見てやってください... 男爵も退屈してるから...

  ■ : 男爵って... このお人形の名前ですか?

  地球屋主人 : そう...

  フンベルト-フォン-ジッキンゲン男爵... すごい名でしょう...

  おお, やっ, すまん... ありがとう...もう大丈夫だ...

  ■ : 立派な時計ですね...

  地球屋主人 : あるお城で眠ってたんだよ... すっかりさびついていたんだ... ごらん...

  ■ : ワ-ッ... きれい... これ, なんですか?

  地球屋主人 : フフフ...できあがってのお楽しみ...

  (カリ...カリ...カリ...カリ...カリ...コチ...コチ...コチ...)

  ■ : ワァ...! よくできでる! ドワ-フですね!

  地球屋主人 : よくご存知だ... そうか... お嬢さんはドワ-フを知っている人なんだね...

  文字盤をみてごらんなさい... うまくいくかな?

  (ボ~~~ン...ボ~~~ン...ボ~~~ン......)

  ■ : エルフ!

  地球屋主人 : ガラスが光るね... ここへ来なさい...

  ■ : はい... 王女さま?

  地球屋主人 : そうだね...

  ■ : 二人は愛し合ってるの?

  地球屋主人 : ...ん

  しかし住む世界が違うんだ...彼はドワ-フの王だからね...

  十二時の鐘を打つ間だけ彼女は羊から元の世界へ房れるんだよ...

  それでも彼は時を刻むごとにああして現われて...

  王女を待ち続づけるんだ... きっとこの時計を作った職人が...

  とどかぬ恋をしていたんだよ...

  ■ : それで二人ともなんだか悲しそうなのね...

  (カタン !)

  ■ : ああっ!!! この時計すすんでますよね!

  地球屋主人 : ん-........ でも5分くらいかな...

  ■ : 大変 !!!

  地球屋主人 : オオッ!?

  ■ : わたし, 図書館に行かなきゃ! さよなら! おじいさん! また来ていいですかァ?

  地球屋主人 : ああ...図書館なら左行った方がいいよ...

  ■ : きゃあ...!!! わあっ... 図書館の真上! フフフ...

  いいとこみつけちゃった... 物語に出てくるお店みたい! すてき-!

  男学生 : つきしま-! 月島 ■ !!!

  (キイッ-)

  これお前んだろう...

  ■ : えっ!? ああ-っ!!!

  男学生 : 忘れっぽいんだな...

  ■ : あ...ありがとう... でもどうして...?

  男学生 : さて... どうしてでしょう...

  ■ : ...!!! ネコ! そっ...そのネコきみの-っ!?

  男学生 : お前の弁当ずいぶんでっかいのな...

  ■ : えっ!? ちがう~~!!!

  男学生 : コンクリ-トロ-ド どこまでも~~~つづいてる 白い道~~~~

  ■ : ちがうのォ, こらあ~~~~~~~~~!!!

  父 : アレ? 来てくれたのか... どうしたんだ? コワイ顔して...

  ■ : ちょっと説明しようがないの...

  父 : ハア...??

  ■ : とてもイイ事があって洞穴で宝物をみつけた感じだったの...

  それが心ないひと言で生き埋めになった気分!

  父 : ハハハ... それは複雑だ.....

  父 : 今日も借りていくかい?

  ■ : うん...あと7冊は読まなきゃ...

  父 : 相変わらずだネェ, メシどうする?

  ■ : 売店で済ます...

  父 : そうか... じゃあ... ありがとう...

  ■ : 6月16日... すごい... 天沢って人, この本も読んじゃってる...

  どんな人なんだろう... ちがう! お前なんかじゃない!!

  母 : しずく- はやくしなァ-! はあ~~っ 遅刻-! カサ! カサとって...

  新学期なのに雨ばっかりねェ...

  ■ : 文句いわない! あなたは好きで勉強しているんでしょう...

  母 : はァい...

  ■ : しっかり勉強しなさい...

  母 : まァかしといて-...

  夕子 : しずく-っ...

  ■ : ヤッホ-...

  夕子 : はやく... おくれるよ-... や-ねェ... テストばっかりで...

  ■ : 毎日なんかかんかあるね...

  あれ...返事した?

  夕子 : ううん...

  ■ : 何もいってこない?

  夕子 : うん...わたしやっぱりことわる...

  ■ : そっかァ... うん... その方がいいかもね... 杉村-っ!

  杉村 : ギリギリだぞ-っ...

  ■ : ワカッテル-...

  先生 : ハイ...おわり----, あつめてェ... 午後は通常だからな...

  夕子 : しずく...高坂先生のとこ行こう...

  ■ : うん...その前に職員室よっていい?

  夕子 : いいよ...

  杉村 : 月島っ聞いて聞いて!

  ■ : なによ...

  杉村 : バ-ッチシヤマあたり, すげえの...

  ■ : このしあわせもの...

  杉村 : 休み時間に見たところがそのままドンピシャだぜ...

  ■ : ただの野球バカじゃなかったんだァ... ヤマはりなら夕子得意だよね-...

  こんど一緒に勉強したらァ?...

  杉村 : 原田が!?

  クラスメイト : すぎむら...杉村-っ...

  杉村 : なんだよ?

  男学生 : これみたかい?

  夕子 : 行こう...しずく!

  夕子 : ムリヤリくっつけようとしないで!

  ■ : 判った?

  夕子 : わたしヤマなんか当ったことないもの!

  ■ : ごめん-...

  ■ : 失礼します...

  老先生 : 本の寄贈者? ぼくに判るかなァ...

  ■ : すみません...お食事中に...この蔵書印なんです...

  老先生 : ん...? え-っと...ああ... 天沢さんじゃないか?

  これぼくも読んだよ, いい本でしょう?

  ■ : ハイ...とても... それで, この天沢さんという方はどんな人なんですか?

  老先生 : 何年か前に 確か...PTAの会長をされていた方だよ...

  ■ : PTAの...あの... その方の名前は判ります?

  老先生 : 名前...? エ-ト...

  木村先生! 天沢さんはなんていいましたっけねェ, 天沢医院のほら...

  木村先生 : 天沢さん? たしか航一ですよ...天沢抗一...

  ■ : 天沢抗一...

  木村先生 : 月島! 同じ学年に天沢さんとこの末っ子がいるじゃないか... 知らないのか?

  ■ : エエッ!? あっ...あの... ありがとうございました...

  夕子 : 失礼します...

  (ガウッ)

  女先生 : わっ!

  ■ : アッ! すみません...

  夕子 : しずく~~~ どこいくのォ?

  ■ : ハア-ッ...おどろいたァ...

  夕子 : おどろいたのは こっちよ! ちゃあんと説明してもらいますからね...!

  ■ : ヘヘ... ごめ-ん...

  夕子 : しずく...どっちいくのよ?

  ■ : なによっ! 完ペキに無視してくれちゃって!!

  夕子 : しずく...だれ? あいつ... どこへいく気?

  ■ : あいつやな奴なの逃げるの いやじゃない!

  (アハハハハハハハ......)

  クラスメイト : カァワイ-...

  夕子 : わたし, しずくのお弁当を持って走りまわってたのよォ...

  高坂先生 : 月島に男がねえ...

  クラスメイト : 先生! しずくにも よ-やく春が来たんですねェ...

  ■ : ちがうって言ってるのにィ!

  クラスメイト : 本当は本の王子様に会ったんでしょう?

  クラスメイト : ハンサム?

  ■ : だからァ...どんな人かと思っただけ!

  クラスメイト : ねえ, 夕子はその人の名前知ってんでしょ...おしえなよ-...

  ■ : ゆうこォ!

  夕子 : それが...とっさのことでさ...

  マがついていたんだけどマサキだったっけ...? アマ... ネェ, しずく...

  ■ : さあね...

  高坂先生 : でもさァ...話を最後まで聞かずにとび出してくるなんて...

  月島らしいネェ...

  クラスメイト : 知りたいけど知りたくないのよね...ゆれる心が苦しくて...うれしい!

  クラスメイト : まァ...ロマンチックですこと!

  ■ : そうやってからかってればいいでしょ!

  せっかくカントリ-ロ-ドの詩, 書いてきたのに...

  夕子 : できたの?

  クラスメイト : みせて! みせて!

  (共に) : ■さま! 大詩人さま! もうしませんのでお見せ下さい!

  ■ : よろしい... 本当は自信ないんだ...

  ふるさとって何か やっぱり判らないから正直に自分の気持ちで書いたの...

  クラスメイト : カゲキね-これ...

  夕子 : ~~カントリ-ロ-ド...

  (共に) : ~この道...ず-っと...ゆけば~~~

  あの街に...つづいてる...気がする...カントリ-ロ-ド...

  夕子 : しずく...いいよ! わたし好き...

  ■ : 歌いにくくない?

  クラスメイト : なんとかなるんじゃない...

  夕子 : 後輩にあげるだけじゃつまらない... わたし達も謝恩会で歌おうよ...

  ■ : ええ? 謝恩会!?

  クラスメイト : 気がはや-い...

  クラスメイト : ここいいな... ~~ひとりで生きると...何も持たず...町をとび出した...

  淋しさおしこめて...強い自分を...守っていた...

  (キ~ン~~コ~ン...キ~ン~~コ~ン...)

  高坂先生 : 諸君! 予鈴だよ!

  (共に) : ハ----イ...

  ■ : あ-----... はれた... はれた...

  夕子 : しずく-! コ-ラス部にちゃっと寄っていかない? あの詩見せるの-...

  ■ : いい-! 図書館にいかなきゃ-...

  夕子 : エエッ? あしたもテストあるよ...

  ■ : 図書館でやるもん...

  夕子 : スキね-...

  ■ : じゃあね...

  夕子 : バイ...バ-イ...

  杉村 : 原田... あのさァ... わるいんだけど ちょっといいかな...

  夕子 : ...うん

  ■ : やっぱりお休み... お花に水は やってあるのかなァ...

  ...男爵がいないわ...買われちゃったのかしら...

  ...西 司朗...あいつも西っていうのかな...

  (キイッ...!!!)

  ■ : ハ-ッ... フ---.

  (シャカ...シャカ...シャカ...シャカ...シャカ...)

  姉 : しずく...しずく-!

  (バサッ...)

  姉 : 夕子ちゃんから電話!!

  母 : 耳わるくなるよォ...しずく...

  ■ : ゆう子?...エ?... なに? 聞こえない...

  ...!!!...ウン... いますぐ行くから...ウン... じゃ切るよ...

  (カチャ!)

  母 : どこ行くの?

  ■ : すぐそこ...

  ■ : どうしたの? 夕子?

  夕子 : しずく~~~...

  ■ : どうしたのよ...あっ, なに? そのカオ!?

  夕子 : しずく~~~ゥ...どうしよ~~~~~

  杉村が友達にたのまれて... あの手紙の返事くれェ-って...

  ■ : エエッ!? あちゃ~~~~~

  ((( 夕子 : なんで杉村が そんなコトいうのよ!!! )))

  ((( 杉村 : お...おい...? )))

  ■ : ...あいつにぶいからなァ...

  でもさ, 杉村だって夕子の気持ち知ってるわけじゃないし...

  夕子 : 杉村には あやまる...

  でも...こんな顔じゃ学校 行けないから あしたは休むね...

  ■ : テストも?

  夕子 : ン...

  ■ : そっか...

  ■ : バ~カ...

  杉村 : なんだよ...

  クラスメイト : うまくいったらしいよ...

  クラスメイト : う-ん...あっ! しずく-! 今日も図書館?

  ■ : 夕子のとこいってみる...

  クラスメイト : アッ, そうか... よろしくね...

  ■ : ウン! バイバイ...

  クラスメイト : バイバイ...

  杉村 : 月島...! まてよ... 原田のことなんだけど...

  ...そしたらさ原田のやつ急に泣き出して...

  なァ...オレ...何かわるいこと言ったかな...

  ■ : 杉村さ... 夕子はあんたがどうしてそんなこと言うのって言ったんでしょ?

  杉村 : うん...だから野球部の友達にたのまれたって...

  ■ : ちがう~~~!!! それって杉村にはそんなこといわれたくないってことよ!

  この意味わかるでしょ!

  杉村 : わかんないよ! はっきりいってよ!

  ■ : もう! 本当ににぶいわねっ!!! 夕子はね, あんたのことが好きなのよ!!!

  杉村 : え-!? そんなっ...オレ...こまるよ...

  ■ : こまるって... かわいそうなのは夕子よ!!!

  ショックうけて 休んじゃったんだから!!!

  杉村 : だ...だって...オレ... オレお前が好きなんだ!!!

  ■ : え...!? や...やだっ... こんな時, 冗談いわないでっ...

  杉村 : 冗談じゃないよ!!! ずっと前からお前のことが好きだったんだ!!!

  ■ : だ...だめだよ, わたしは...だってそんな...

  杉村 : オレのことキライか? つきあってる奴がいるのか?

  ■ : つきあってる人なんかいないよ...で...でも...ごめん!!!

  杉村 : まてよっ! 月島...はっきり言え...

  ■ : だって...ずっと友達だったから杉村のことすきだけど...

  好きとかそういうんじゃ... ごめん... うまく言えない...

  杉村 : ...ただの友達か...?... これからもか?... そうか...

  (ワン ワンワンワン ワンワンワン ワンワンワン ワンワン...)

  ■ : フ-ッ... バカ! にぶいのは 自分じゃないか!!!

  となりの夫人 : 月島さん! ちょっと待って, お届け物あずかってるの...

  母 : あっ, いつも... すみません...

  となりの夫人 : わるいわね-... いつももらっちゃって...

  母 : いいのよ, 家じゃ食べきれないから...帰ってたの... しずく?

  ■ : ヤッホ- きみもしめ出されたの?

  きみはこの家でかわれているの? ... お腹へってない?

  きみもかわいくないね... わたしそっくり...

  ...どうして変わっちゃうんだろうね...

  わたしだって 前はず-っと 素直でやさしい子だったのに...

  本を読んでもね, このごろ前みたいに ワクワクしないんだ...

  こんな風にさ...うまくいきっこないって 心の中ですぐ誰かがいうんだよね...

  かわいくないよね.....

  - つづく -

  男学生 : へエ... つきしまかァ...

  ■ : アアッ!

  男学生 : よくム-ンがさわらせたな... オイ... ム-ンよってかないのか?

  ■ : あの猫ム-ンっていうの?

  男学生 : ああ...満月みたいだろ... だからム-ンってオレは呼んでるけどね...

  (ワン...ワン...ワン...ワン...ワン...ワン...ワン...)

  ■ : ム-ンはきみんちの猫じゃないの?

  男学生 : あいつをひきとめるのはムリだよ...

  他の家でお玉ってよばれてるのを見たことあるんだ...

  ほかにもきっと名前があるよ...

  ■ : フ-ン...渡り歩いているんだ... そうかァ! ム-ンは電車で通勤しているのね!

  男学生 : 電車!?

  ■ : そうなの!

  ひとりで電車に乗ってたの... それで後をつけたらここへ来てしまったの...

  そしたらすてきなお店があるでしょう... 物語の中みたいでドキドキしちゃった...

  悪いこといっちゃったな... ム-ンにおまえかわいくないねっていっちゃった...

  わたしそっくりだって...

  男学生 : ム-ンがお前と!?

  全然似てないよ!!! あ... あいつはもう半分花け猫だよ...

  男学生/■ : おまえ...../あの.....

  ■ : おじいさん元気? ず-っとお店お休みだから 元気かなって...

  男学生 : ピンピンしてるよ... この店, へんな店だからあいてる方が少ないんだ...

  ■ : そうなの...よかった...

  窓からのぞいたら男爵が見えないんで, 売れちゃったのかなって...

  男学生 : ああ! あの猫の人形か... みる? こいよ...

  ドアしめて...

  ■ : わあ...... 空に浮いてるみたい...

  男学生 : 高所恐怖症?

  ■ : ううん... 高い所すき... すてき...

  男学生 : この瞬間がいちばんきれいに見えるんだよ... こっち...

  男学生 : ちょうどいいや... そこにすわって...

  ■ : 時計がない...

  男学生 : ああ! そこにあったやつ? 今日届けにいったんだ...ここへこいよ...

  ■ : 売れちゃったの...

  男学生 : もともと修理の仕事だもん...

  ■ : そうかァ... もう一度みたかったな...

  男学生 : 3年がかりでさ... 月島が弁当忘れた日にできたんだよ...

  ■ : あっ! あのお弁当!!!

  男学生 : 判ってるよ... お前のじゃない事ぐらい... ここへ来て猫の眼の中を見てみな...

  ■ : ........

  男学生 : はやくしろよ... 光がなくなるぜ...

  ■ : はああ-っ!!!

  男学生 : エンゲルスツィ-マ-... 天使の部屋っていうんだ...

  布張りの時に職人が偶然つけた傷で出来るんだって...

  ■ : きれいね...

  男学生 : 男爵はなくならないよ... おじいちゃんの宝物だもん...

  ■ : たからもの?

  男学生 : 何か思い出があるみたいなんだ... いわないけどね...

  すきなだけみてていいよ... オレ下にいるから...

  電気そこね... つけたかったらつけて...

  ■ : ふしぎね... あなたのことず-っとセンから知っていたような気がするの...

  時時, 会いたくてたまらなくなるわ... きょうはなんだかとてもかなしそう...

  (コソ...コソ...コソ...コソ-ォ...)

  男学生 : ああ...もういいの?

  ■ : ウ-ウン...ありがとう...

  ねっ...それ...もしかしたらバイオリン作ってるの?

  男学生 : あ? ああ...

  ■ : みていい?

  男学生 : .....ン...こうなるんだよ...

  ■ : は? これ全部, 自分で作ったの? 手で?

  男学生 : あたりまえだよ...

  ■ : 信じらんない!

  男学生 : バイオリンは300年前に形が完成しているんだ...

  あとは職人の腕で音のよしあしが決まるんだよ...

  ■ : あれも全部作ったの?

  男学生 : まさか... ここでバイオリンづくりの教室もやっているがらさ...

  ■ : でも... あなたのもあるんでしょ...

  男学生 : .....ん

  ■ : ねえ...どれ? どれ?

  男学生 : あれ!

  ■ : ワァ! これェ...?

  すごいなァ... よくこんなの作れるね-... まるで魔法みたい...

  男学生 : おまえな-... よくそういうハズカシイこと平気でいえるよな...

  ■ : あら...いいじゃない... 本当にそう思ったんだから...

  男学生 : その位のもん, 誰でも作れるよ! まだ...ぜんぜんだめさ!

  ■ : ねェ, バイオリンひけるんでしょ...

  男学生 : .....まあね.

  ■ : おねがい! きかせて... ちょっとでいいから...

  男学生 : あのなァ~~~

  ■ : おねがい! おねがい! おねが---い!!!

  男学生 : ヨ-シ! そのかわりお前, うたえよ!

  ■ : エッ!? だっ...だめよ! あたし音痴だもん!!!

  男学生 : ちょうどいいじゃんか...

  うたえよ...知ってる曲だからさァ...

  ■ : ひとりぼ~っち... おそれず-に... 生きようと... 夢みて~た...

  さみし-さ... 押しこめ~~~て... 強い自分を守っていこ-...

  カントリ-ロ-ド この道 ず~~~っと ゆけば- あの街に- つづいて~~~る

  気がす-る- カントリ-ロ-ド...

  どんな さ~みしい~~時だあって 決して 涙はみせないで-

  心なしか 歩調がはやくなっていく 思い出- 消すため-

  カントリ-ロ-ド この道 故郷-へ- つづいても- ばくは~ いかない-さ いけな~い

  カントリ-ロ-ド...

  カントリ-ロ-ド あしたは- いつも-の ぼくさ-

  かえりた~い- かえれな~い- さよな~ら- カントリ-ロ-ド~~~~~

  (ハハハハハハハハハハハハ...........)

  (パチ...パチ...パチ...パチ...パチ...)

  地球屋主人 : イヤイヤ...愉快愉快...

  ■ : 月島しずくです... この間はありがとうございました...

  地球屋主人 : イヤ... おじょうさんには また会いたいなァと思ってました...

  この二人はぼくの音楽仲間です...

  一人 : ナイス ボ-カァル! 例の時計が完成した時にいあわせた幸運な方ですな...

  二人 : 聖司君に こんなかわいい友達がいたとはねェ...

  ■ : エエッ!? セイジ!? あなた もしかして天沢聖司?

  聖司 : ああ...アレ? いってなかったっけ? おれの名前...

  ■ : いってな-い!!! だって表に西って出てた...

  聖司 : あれはおじいちゃんの名前だよ... オレは天沢!

  ■ : ひどい不意討ちだわ... 洞冗の生きうめよ... 空がおちてきたみたァい...

  聖司 : なに...バカなこといってんだよ... 名前なんてどうだっていいじゃないか...

  ■ : よくな-い !!! 自分はフルネ-ムでよびすてにしておいて!

  聖司 : お前がきかないからいけないんだろ!

  ■ : きくひまなんかなかったじゃなァい... ああ...天沢聖司ってわたしてっきり...

  聖司 : なんだよ...

  ■ : やさしい...しずかな人だと思ってたの!

  聖司 : お前なァ本の読みすぎだよ...

  ■ : 自分だっていっぱい読んでるじゃない...!!!

  (ハハハハハハハ......)

  (カッ...カッ...カッ...カッ...カッ...)

  ■ : ほんとに楽しかった...みんないい人達ね...

  聖司 : また来いよ, じいちゃん達よろこぶから...

  ■ : きくだけならなァ... うたうのはつらいよ...

  でも天沢君バイオリン上手だね, そっちへ進むの?

  聖司 : おれ位の奴は たくさんいるよ...

  それよりおれさ, バイオリンづくりになりたいんだ...

  ■ : そうかあ... もう, あんなに上手だもんね...

  聖司 : イタリアのクレモ-ナにバイオリン製作学校があるんだよ...

  中学をでたら そこへ行きたいんだ...

  ■ : .....!?... 高校... 行かないの?

  聖司 : 家中が大反対! だから...まだどうなるか判らないけど...

  おじいちゃんだけが味方してくれてるんだ...

  (パアッ...ブオオオ-...)

  ■ : すごいね... もう進路を決めてるなんて...

  わたしなんか全然けんとうもつかない... 毎日なんとなくすぎちゃうだけ...

  聖司 : おれだってまだ行けるって決まっちゃいないんだぜ... 毎日, 親とケンカだもん...

  いけたとしても本当に才能があるかどうか やってみないと判らないもんな...

  .........おくってかなくていいの?

  ■ : うん... もうそこだから... じゃあね...

  聖司 : あ.....つきしま-...

  ■ : ン...なに?

  聖司 : お前さ, 詩の才能あるよ... さっき歌ったのもいいけど...

  おれ... コンクリ-トロ-ドの方も好きだぜ...

  ■ : なによっ... この前はやめろっていったくせに...

  聖司 : おれ... そんなこといったっけ?

  ■ : いった-!!!

  聖司 : そうかあ...?

  ■ : 今日はありがとう... さようなら...

  姉 : しずく...スタンド ちゃんと消しな! きのうつけっぱなしだったよ...

  ■ : おねえちゃん...進路っていつ決めた?

  姉 : エエッ?

  ■ : し...ん...ろ...

  姉 : あんた, 杉の宮 受けるんでしょう...

  ■ : そうじゃなくって...

  姉 : それを探すために 大学へ行ってるの...

  ■ : フ-ン...

  姉 : おやすみ...

  ■ : おやすみ...

  (ザアアァァァァ-...)

  ■ : お母さんってば自分が休講だからって起きないんだから!

  ■/杉村 : ...!!!.....

  杉村 : おはよう!

  ■ : おはよう!

  杉村 : もっと... はやく走れ!

  ■ : さ... 先行ってイイ!

  (スタタッ...タタタタタ...)

  (キ-ンコ-~ン...キ-ンコ-~ン...キ-ンコ-~ン........)

  ■ : ヒャ~~~たすかったァ~~~~~

  夕子 : しずくっ... しずくっ... ひどい顔ねェ...

  ■ : そういうあなたは立ち直り早いわねェ...

  夕子 : ゆうべ, よそのクラスの男の子と歩いてたって?

  ■ : エエッ... だれがそんなこといったの?

  夕子 : ウワサよ... 恋人同士みたいだったって...

  ■ : そんなんじゃないよ...

  杉村 : 原田... あのことだけどオレの方から断っとく... ごめんな...

  夕子 : ううん... わたしこそごめんね...

  杉村 : いいよ...

  クラスメイト : オイ! ゆうべのサスケみたか? すげえんだ... オレ感動した...

  (ガハハハハハ......)

  先生 : この公式は中間に出すからね... よく覚えておきなさい!

  クラスメイト : エエ~~~~~~ッ!!!!!

  先生 : おわります!!

  聖司 : あのさ... 月島いるかな?

  クラスメイト : 天沢じゃん...なに?

  聖司 : 月島ってこのクラスだろ?

  クラスメイト : 月島? ああ...いるよ! オ-イ! 月島! 面会だぞ-!!! お.と.こ.の-

  ほらっ...あそこだよ...

  ■ : 聖司君...!!!

  聖司 : 月島...ちょっといいかな...

  ■ : ...ハイッ!

  クラスメイト : ワ-イ! 月島に男がいたぞ-!

  (キャ-..ワ-..ピ-..キャ-...カン-カン-...オ-...ピ-ピ-...オ-ト-コ-...オ-ト-コ-...)

  ■ : 達う!!! そんなんじゃないわよっ!!!

  (キャ-..ワ-..カン-カン-...オ-...)

  ■ : なに? いったい...

  聖司 : いけることになったんだ! イタリアへ...

  ■ : エッ!? あっちいこ!

  (ザワ...ザワ...ザワ...)

  聖司 : どこへいくんだよ...

  ■ : 屋上!

  (ザアアアァァァァ....)

  ■ : アア...

  聖司 : ...すげえな...

  ■ : だって... あんなにたくさん人がいるところで呼び出すんだもん...

  聖司 : わるい... いちばん先にしずくに教えたかったんだ...

  ■ : ご, 誤解されるぐらい かまわないけど...

  聖司 : おやじがやっと折れたんだよ... ただし条件つきげけどね...

  ■ : エ...なあに...?

  聖司 : じいちゃんの友達が紹介してくれたアトリエで2ケ月見習いをやるんだよ...

  ■ : みならい?

  聖司 : その親方はとってもきびしい人なんで 見こみがあるかどうか見てくれるって...

  それにおれ自身ががまんできるかどうかも判るだろうってさ...

  だめだったら, おとなしく進学しろっていうんだ...

  おれ... そういうの好きじゃないよ... 逃げ道つくっとくみたいで...

  でも... チャンスだから行ってくる...

  ■ : いつ...いつ行くの?

  聖司 : パスポ-トがとれしだい... 学校とは今日おやじと話をつけるんだ...

  ■ : じゃあ...すぐなんだ... よかったね... 夢がかなって...

  聖司 : ああ... とにかくいっしょうけんめいにやってみる...

  聖司/■ : あの.../お...

  聖司 : ...! 雨あがるぞ...

  ■ : ほんとだ... ワア... あそこみて... 虹が出るかもしれない...

  聖司 : うん...

  ■ : クレモ-ナってどんな町かな... すてきな町だといいね...

  聖司 : うん... 古い町だって... バイオリンづくりの職人がたくさん住んでいるんだ...

  ■ : すごいなあ... グングン夢に向かって進んでいって...

  わたしなんかバカみたい... 聖司君と同じ高校へ行けたらイイナ... なんて...

  ハハハ... てんでレベル低くて いやんなっちゃうね...

  クラスメイト : (いたか?... シ-ッ... いるいる... しずくかわいいのよ... ほんと... いたぞ...)

  聖司 : おれ, 図書カ-ドですっと前から... しずくに気がついてたんだ...

  図書館で何度もすれちがったの, 知らないだろ...

  となりの席にすわったこともあるんだぞ...

  ■ : エエ-ッ!

  聖司 : おれ, お前より先に図書カ-ドに名前をかくため... すいぶん本読んだんだからな...

  ■ : .....!

  聖司 : おれ........ イタリアへ行ったら... お前のあの歌うたってがんばるからな...

  ■ : ...わ...わたしも...

  クラスメイト : おすな! バカ... イテテ... キャッ...

  (ガッシャン-)

  クラスメイト : (ワァ-!...キャ-!...イテ~~~... ギャハハ... バカ... どけっ...)

  ■ : コ-ラ-ッ!!!

  クラスメイト : 月島がおこった-!!

  (ドャ...ドャ...ドャ...ドャ...)

  クラスメイト : コワイゾ-! キャ-... うわ, きた!!

  (ドャ...ドャ...ドャ...ドャ...)

  姉 : ハイ...

  父 : ああ... すまん...

  ■ : ごちそうさま...

  母 : しずく... もう食べないの?

  ■ : 夕子とまちあわせ...

  母 : 駅の方へ行くなら牛乳買ってきて...

  ■ : エ~~~~~ッ...

  姉 : しずく... ガブ飲みしたんでしょ! ... このごろてんでたるんでるんだから...

  あの子...

  ■ : ごめ-ん...さぼらした?

  夕子 : いいよ...

  ■ : もうアタマグジャグジャ...

  夕子の母 : あら... しずくちゃん... いらしゃい...

  ■ : こんばんわ...

  夕子の父 : おかえり...

  ■ : 失礼します...

  夕子の母 : お茶入れるからとりに来なさいね...

  夕子 : ハ-イ... お父さんとケンカしてるの... 口きいてやらないんだ...

  夕子 : 男の子ってすごいなあ...

  ■ : 2ケ月で帰ってきても卒業したらすぐ戻って... 10年位はむこうで修業するんだっ

  て...

  夕子 : ほとんど生き別れじゃない... でもさ... こういうのこそ赤い糸っていうんじゃな

  い? すてきだよ!

  ■ : 相手がカッコよすぎるよ... 同じ本を読んでたのに 片っぱはそれだけでさ...

  片っぱは進路をとっくに決めててドンドン進んでっちゃうんだもの...

  夕子 : そうか... そうよね... 絹ちゃん一年のとき同じクラスだったじゃない...

  天沢君てちょっととっつきにくいけど... ハンサムだし勉強もできるっていってた

  わ...

  ■ : どうせですよ-... そう... あからさまにいわないでよ...ますますおちこんじゃ

  う...

  夕子 : なんで? 好きならいいじゃない, 告白されたんでしょ...

  ■ : それも自信なくなった...

  夕子 : フ-ッ... わたし判んない...

  わたしだったら毎日手紙かいて, はげましたりはげまされたりするけどな...

  ■ : 自分よりずっとがんばってるやつに がんばれ-なんていえないもん...

  夕子 : そうかなあ... しずくのきいてるとさ, 相手とどうなりたいのか判らないよ...

  進路が決まってないと恋もできないわけ? しずくだって才能あるじゃない...

  カントリ-ロ-ドの訳詞なんか, 後輩達, 大よろこびしてるもの...

  わたしと違って自分のこと はっきりいえるしさ...

  ■ : オレくらいの奴 たくさんいるよ...

  夕子 : エッ?

  ■ : ううん...あいつがいったの. あいつは自分の才能をたしかめにいくの...

  だったらあたしもためしてみる...

  決めた! あたし物語を書く!

  書きたいものがあるの...あいつがやるならあたしもやってみる...

  夕子 : でも... じき中間だよ...

  ■ : いいの... 夕子ありがとう, なんだか力が湧いてきた...

  夕子 : 帰る?

  ■ : うん...

  ■ : おじゃましました...

  夕子の母 : お母さんによろしくね...

  ■ : ハイ...

  ■ : 夕子もがんばってね...

  夕子 : うん...

  ■ : 夕子のよさ, きっと杉村にも判るよ... さよなら...

  夕子 : さよなら...

  ■ : そうかぁ... 簡単なことなんだ... あたしもやればいいんだ...

  ■ : .....! ム-ン...

  女 : ムタ- ムタ-... お母さ-ん... ムタまたいっちゃったよ-...ムタ-...

  ■ : ムタだって...

  - つづく -

  {{耳をすませば

  }}

  地球屋主人 : ホォ-...バロンを主人公に...

  ■ : おゆるしをいただけますか?

  聖司君からこのお人形がおじいさんの宝物だとうかがったものですから...

  地球屋主人 : ハハハ...それでわざわざか...いいですとも...ただし条件がひとつある...

  ■ : ...? ハイ...

  地球屋主人 : ぼくを...しずくさんの物語の最初の読者にしてくれること...

  ■ : あ...あの...

  地球屋主人 : どうですかな?

  ■ : やっぱり見せなきゃだめですか?

  だって...ちゃんと書けるかどうか...まだ...判らないから...

  地球屋主人 : ハハハハ...それは私達職人も同じです...

  はじめから完ペキなんか期待してはいけない...

  そうだ...いいものを見せてあげようかな...

  コレコレ...みてごらん...

  雲母片巌という石なんだがね...その割れ目をのぞいてごらん...

  そう...そうして...

  ■ : ワァ-ッ! きれい...

  地球屋主人 : 緑柱石といってね...エメラルドの原石がふくまれてるんだよ...

  ■ : エメラルドって宝石の?

  地球屋主人 : そう...しずくさんも聖司もその石みたいなものだ...

  まだ磨いてない自然のままの石...

  わたしはそのままでも とても好きだがね...

  しかし...バイオリンを作ったり, 物語を書くというのはちがうんだ...

  自分の中に原石をみつけて時間をかけて磨くことなんだよ...

  手間のかかる仕事だ...その石の一番大きな原石があるでしょう...

  ■ : ハイ...

  地球屋主人 : 実はそれは磨くとかえってつまらないものになってしまう石なんだ...

  もっと奥の小さいものの方が純度が高い...

  いや...外から見えない所にもっといい原石があるかもしれないんだ...

  イヤ-ハハハ...イカン...イカン...

  歳をとると説教くさくていかんな...

  ■ : 自分にこんなきれいな結晶があるのかどうかとてもこわくなっちゃった...

  でも書きたいんです...書いたらきっとおじいさんに最初にお見せします...

  地球屋主人 : ありがとう...楽しみに待ってますよ...

  ■ : .....原石...ラピス-ラズリの鉱脈...

  +-----------------------------------------------------------------------------+

  | バロン : いざ...おともつかまつらん...ラピス-ラズリの鉱脈をさがす旅に! |

  | おそれることはない...新月の日は空間がひずむ... |

  | 遠いものは大きく...近いものは小さく見えるだけのこと... |

  | とぼう! 上昇気流をつかむのだ... |

  | 急がねば! 小惑星が集まってまた... |

  | いいぞ! 気流にのった...このままあの塔をいっきにこそう... |

  | 月島■ : あんなに高く!? |

  | バロン : なあに近づけばそれほどのことはないさ... |

  +-----------------------------------------------------------------------------+

  ■ : いこう...おそれずに...午後の気流が乱れる時, 星にも手がとどこう!

  父 : あれ...!? ヘエ...めずらしいなァ...しずくが物語以外の本を探してるなんて...

  ■ : この人...牢屋でバイオリン作っているんだ...

  ■ : 聖司君! もういっちゃったのかと思ってた...

  聖司 : おじいちゃんに聞いてここじゃないかと思ったんだ...

  会えてよかった...明日いく...

  ■ : あした...

  聖司 : いいよ...しずくがおわるまでここで待ってる...

  聖司 : おくれなくて...ごめんな...

  ■ : ううん...来てくれてとてもうれしかった...見送りにはいけないけど...

  帰りを待ってるね...

  聖司 : ウン...たった2ケ月さ...

  ■ : あたし.....泣きごとばかりいってごめんね...あたしもがんばるね...

  聖司 : じゃあ...いってくる...

  ■ : いってらしゃ-い!

  (ゴトン...ゴトン...ゴトン...ゴトン...ゴトン...)

  +-----------------------------------------------------------------------------+

  | バロン : わたしといいなずけのルイ-ゼは...遠い異国の町に生まれた... |

  | その町には...まだ魔法が生きていて... |

  | 魔法使いの血をひく職人達が...工房をつらねていたものだった... |

  | 私達を作ったのは見習いのまずしい人形づくりだった... |

  | しかし...ルイ-ゼとわたしはしあわせだった... |

  | 彼が人を愛する想いをこめてくれたから... |

  | ところが........... |

  | (プウウウウウヴイイイイイイン.....)

  +-----------------------------------------------------------------------------+

  夕子 : しずく...しずく...しずく!

  先生 : どうしたんだ? 月島!......

  ■ : わ...判りません...聞いてませんでした...

  先生 : しっかりしろよ, 大事な時だぞ...

  ■ : すみません...

  先生 : 原田! かわりに読め...

  夕子 : ハイ-!

  夕子 : エ-ッ! また4時までおきてたの!?

  ■ : 平気だよ全然ねむくならないもん...

  夕子 : でもさ, しずく...このごろポ-ッとしてること多いよ...さっきだって...

  ■ : 考えこんでただけよ...書きたいことがありすぎてまとまらないんだ...

  .....なんか食欲ない...

  母 : しずく! いるんじゃない...やあね...あかりもつけないで...

  あ~あ...洗タク物ぐらいしまってくれればいいのに...

  しずく!!! ちょっと来なさい...しずく!!!!!!

  (ピシャッ-)

  父 : しずくは? いるんだろ...

  母 : ほしくないって...

  先生 : あっ, お待ちしてました...

  母 : お手数をおかけします...

  先生 : サァ...こちらへ...

  先生 : 進路指導室あいてるだろう? どうぞ...

  母 : ただいま...

  姉 : おかえりなさい...

  母 : きょうは...はやいのね, 汐...ハァ-つかれた...

  姉 : コ-ヒ-のむ?

  母 : たのむわ...

  姉 : お母さん! ちょっと相談があるんだけど...

  母 : なあに?

  姉 : わたし家出ようとおもうんだ...もう部屋みつけてあるの...

  母 : でも, お金かかるんでしょ...

  姉 : 大丈夫...バイトでためたし...塾の先生の口みつけたから,なんとかやっていける...

  母 : そうか...汐には手伝いばかりやらせちゃったもんね...

  がんばりな...お父さんに話しとく...

  姉 : ほんと! うれしい...

  母 : 春までは何かとものいりだけど...卒業したらあたしもはたらけるから...

  そしたら少しは応援するね...

  姉 : うん...期待してる...ごめんね, 修士論文でたいへんな時に...

  母 : ありがと...デ-タの整理 手伝ってくれただけで大感謝してる...

  姉 : 部屋が広くなってしずくも少しは勉強に集中できるよ...あの子この頃変だもの...

  母 : やっぱり...そう思う? 今日, 学校へよび出されたの...これみて...

  姉 : なあに? これ...信じらんない! 100番もおっことしてるじゃない...

  母 : あの子...机にかじりついて何やってるのかしらね...

  父 : あっ...今晩わ...

  となりの夫人 : おかえりなさい...すいませんね...

  姉 : あんな成績で, いったいどんな高校にいくつもりなの!!

  ■ : いいわよ...高校なんかいかないから!!

  姉 : 高校いかない~~~? 世の中, 甘くみるんじゃないわよ!!

  中学でただけでどうやっていく気!?

  ■ : 自分の進路ぐらい自分で決めるよ!!

  姉 : なまいきいうんじゃないの!! しずくのはただの現実逃避だよ...

  二学期で内申きまるの, 判ってるんでしょう...

  ■ : 勉強するのがそんなにえらいわけ!?

  お姉ちゃんだって大学入ったら, バイトしかしてないじゃない!!

  姉 : あたしはやるべきことはやってるわ!!

  いまやらなきゃいけない事から逃げてるのはしずくでしょう! それが判らない!?

  ■ : 逃げてなんかいない! もっと大事なことがあるんだから!

  姉 : 大事なことって何よ!? はっきりいってごらん!

  父 : 汐, しずく...もうよしなさい...

  姉 : だって...お父さんしずくったらひどいのよ...

  父 : ン...二人共こっちに来てわけを話してごらん...

  しずく...ちゃんと服をきがえておいで...

  姉 : はやくしな...

  父 : なるほど...しずく...汐のいったとおりかい?

  ■ : テストがどうでもいいなんて思ってない!!

  姉 : さっき高校, いかないっていったじゃない...

  ■ : だってお姉ちゃんがどこへもいけないっていった...

  父 : 汐...しずくと二人で話をするから度をはずしてくれないか...

  姉 : ハ-イ...

  父 : 母さんは?

  姉 : 田中さんとこ...

  母 : ただいま...

  姉 : おかえりなさい...お母さん...

  母 : お父さん帰ってるの?

  姉 : うん...

  父 : 母さんもここへ来てくれないか...しずくのこと汐からきいたとこなんだ...

  母 : ハ...イ...

  父 : さて...しずく...いましずくがやっていることは...勉強よりも大切なことなのか?

  ■ : ン.....

  父 : 何をやってるのか話してくれないか?

  ■ : ...いえる時が来たらいう...

  母 : しずく, それっていますぐやらなきゃいけないことなの?

  ■ : 時間がないの...あと三週間の内にやらないと...

  あたし, その間に自分をためすって決めたんだから...やらなきゃ...

  母 : ためすって何を? 何をためしてるの?

  だまってちゃ判らないでしょう...お父さんやお母さんにはいえないことなの?

  母 : あなた...

  父 : あ...すまん, ついな...

  (ふ-っ...)

  父 : しずくが図書館でいっしょうけんめい, 何かやってるのを見てるしなァ...

  感心してたんだよ...しずくのしたいようにさせようか, 母さん...

  ひとつしか生き方がないわけじゃないし...

  母 : ン...そりゃあ...わたしにも身におぼえのひとつやふたつはあるけど...

  父 : よしっ, しずく, 自分の信じるとおりやってごらん...

  ■ : .....!?

  父 : でもな, 人と違う生き方はそれなりにしんどいぞ...

  何が起きても誰のせいにもできないからね...

  母 : それから...ごはんの時はちゃんと顔を出しなさい...

  父 : そうだ, 家族なんだからね...

  ■ : ハイ...

  父 : 汐をよんで来て...

  母 : お茶入れるわ...

  父 : ん...

  姉 : しずく-...

  お父さん...ああいってるけど本当は勉強してもらいたいと思ってるんだからね...

  ■ : 判ってる, 背中に書いてあるもん...

  姉 : わたしこんどの日曜日に引越すからね...部屋 ひとりでつかえるよ...

  ■ : お姉ちゃん, 家出るの?

  姉 : そう! しっかりやんな...

  +-----------------------------------------------------------------------------+

  | 声(バロン) : はやく! はやく! はやく! 本物は...ひとつだけだ! |

  | 月島 ■ : どれ? どれが本物!? |

  | 声(バロン) : はやく! はやく!! はやく!!! |

  | 月島 ■ : アア...ハハ... |

  | (ボワ.....ピカアアァァァ...パアアアァァァ...) |

  | (...ピカアアァァァ......) |

  | 月島 ■ : キャアアアァァァ... |

  +-----------------------------------------------------------------------------+

  +-----------------------------------------------------------------------------+

  | 西 司朗 : ルイ-ゼ...来てくれたのか... |

  | わたしはもうすっかり歳をとってしまったよ... |

  +-----------------------------------------------------------------------------+

  (ゴトン!)

  (キイイィ...)

  地球屋主人 : .....!? しずくさん...え, さあどうぞ...いやぁすっかり眠ってしまった...

  ■ : すみません...あの...物語を書いたので, もって来ました...

  地球屋主人 : オ...それで..できたんですね...

  ■ : 約束です...最初の読者になって下さい...

  地球屋主人 : これは大長篇だ!

  ■ : あの...いますぐ読んでいただけませんか? 何時間でも待ってますから...

  地球屋主人 : しかし...せっかくの作品だから, 時間をかけて読みたいがなぁ...

  ■ : つまらなかったらすぐやめていいんです...いえ...ご迷惑でなかったら...

  あの...ドキドキして, とても...

  地球屋主人 : わかりました...すぐ読ませてもらいます...

  さあ...火のそばへ...今日はひえこむ...

  地球屋主人 : これで...ジャマ者は来まい...

  ■ : あの...あたし, 下の部屋で待ってちゃだめでしょうか?

  地球屋主人 : ン.......?

  ■ : 平気です...ちっともさむくありません...

  地球屋主人 : フム...かまわんが...しかし...

  (カチャ...キイ-...)

  地球屋主人 : こんなところで.....しずくさん...読みましたよ...

  ■ : ..........

  地球屋主人 : ありがとう...とてもよかった...

  ■ : ウソッ! ウソッ! 本当のことをいって下さい!

  書きたいことがまとまってません...

  後半なんかメチャクチャ...自分で判ってるんです!!

  地球屋主人 : そう...荒荒しくて率直で未完成で...聖司のバイオリンのようだ...

  ■ : ..........!?

  地球屋主人 : しずくさんのきり出したばかりの原石をしっかり見せてもらいました...

  よく, がんばりましたね...あなたはすてきです...

  あわてることはない...時間をかけてしっかりみがいて下さい...

  ■ : わあああぁぁぁぁ...うあ~ん...あ~ん...えっえっ...

  地球屋主人 : サッ...ここはさむい, 中にお入り...

  ■ : あたし...あたし...書いてみて判ったんです...

  書きたいだけじゃだめなんだってこと...

  もっと勉強しなきゃだめだって...でも...聖司君がどんどん先にいっちゃうから...

  無理にでも書こうって...あたし...こわくて, こわくて...

  地球屋主人 : 聖司をすいてくれてるんだね...

  (ズズ...グス...フ~~~ッフ~~~ッ...ズズ...)

  地球屋主人 : 味はどうかな?

  ■ : おいしいです...

  地球屋主人 : 聖司のときはラ-メンだったな...さいしょのバイオリンができた時さ...

  それもジャンボ大盛だ...

  (フ~~~ッフ~~~ッ...)

  地球屋主人 : やぁ...ありがとう...さて...どこまで話したかな?

  ■ : ドイツに留学して町のカフェでバロンを見つけたって...

  地球屋主人 : そう...そう...メランコリックっていうのかな...この表情にひかれてね...

  店の人にぜひゆずってほしいと申し出たんだ...でも...ことわられた...

  この猫の男爵にはつれがいる...恋人同士をひきはなすことはできないってね...

  一寸した修理に職人の元へもどしてある貴婦人の猫の人形の帰りをバロンは待って

  いるっていうんだ...

  ■ : それって, まるでわたしのつくった物語と...

  地球屋主人 : そうなんだ...不思議な類似だね...

  帰国の日もせまっていたし, ぼくはあきらめようと思った...

  その時ね, 一緒にいた女性が申し出てくれたんだ...

  恋人の人形がもどって来たら, 彼女がひきとって,

  二つの人形をきっと一緒にするからって...店の人もとうとう折れてね...

  ぼくはバロンだけを連れてドイツを離れることになった...

  必ず迎えに来るからそれまで恋人の人形を

  あずかってほしいと, その人に約束してね...

  二つの人形が再会する時は...わたし達が再会する時だと...

  それからすぐ戦争がはじまってね...ぼくは約束をはたせなかった...

  ようやく, その町に行けるようになってからずい分探したんだ...

  しかし...その人の行方もバロンの恋人もとうとう判らなかった...

  ■ : .....その人...おじいさんのたいせつな人だったんですね...

  地球屋主人 : 追憶の中にしかいなかったバロンを,

  しずくさんは希望の物語によみがえらせてくれたんだ...

  そうだ...あれを...

  (フア-...)

  地球屋主人 : さあ...手を出して...

  ■ : ..........!? あの...

  地球屋主人 : その石はあなたにふさわしい...さしあげます...

  しっかり...自分の物語を書きあげて下さい...

  ■ : ...ハイ...

  (ブオオオオオオ...キイ...ガチャ...)

  ■ : ありがとうございました...

  (ブオオオオオオ...)

  ■ : さよなら...

  ■ : ただいま...

  母 : おかえり...

  ■ : お父さんは?

  母 : おフロ...あなた, いま 何時だと思ってるの...

  ■ : ご心配をおかけしました...今日からとりあえず受験生にもどります...

  ご安心下さい...

  母 : アラ.....!? じゃ...ためしとやらがおわったのね...

  ■ : とりあえずね...

  母 : ごはんは? カレ-あるよ...

  ■ : いい-ッ...

  母 : フ-ン...とりあえずか...

  ■ : フ-ッ...

  父 : しずく入るぞ...フロに入れ...戦士の休息だな...

  よいしょっと...

  (チチチ.......カラッ...チチ..........)

  ■ : はあァ-...

  ■ : .....!!...ウ...ウソ.....ま...まってて.....

  聖司 : 奇蹟だ! 本当に会えた...

  ■ : ゆ, 夢じゃないよね...

  聖司 : 飛行機を一日はやくしたんだ...

  のれよ...あっ...ちょいまち...それじゃさむいぞ...

  ■ : ア.......

  聖司 : さあ, のった...

  ■ : あたしコ-トとってくる...

  聖司 : 時間がないんだ...さあのって...しっかりつかまってろ...

  しずくにはやく会いたくてさ...何度も心の中でよんだんだ! しずく-って...

  そしたらさァ...本当にしずくが顔出すんだもん...すごいよ俺達!!!

  ■ : あたしも会いたかった...まだ夢みたい...

  (シャアアアア.....ブオオオオ.....シャアアアア.....)

  ■ : クレモ-ナはどうだった?

  聖司 : みるときくとは大ちがいさ...でもオレはやるよ...ワァ...明るくなって来たな...

  (キイッ...シャアッ...シャアアアァァァァ...)

  ■ : おりようか...?

  聖司 : 大丈夫だ! おまえをのせて...坂道のぼるって...決めたんだ...

  ■ : そんなのずるい!!!

  お荷物だけなんてやだ!!! アッ!!! わたしだって役に立ちたいんだから!!!

  聖司 : わかった...たのむ!!! もう少しだ...

  (ハア...ハア...ハア...ハア...ハア...ハア...ハア...ハア...)

  聖司 : しずく-っ!!! はやくのれ-っ!!!

  ■ : う...うん.....

  (シャアアアァァァァ...)

  聖司 : 間にあった...

  ■ : ワァ-...

  聖司 : もとうか...

  ■ : ヘイキ...

  聖司 : こっち...

  ■ : すご-い...朝もやでまるで海みたい...

  聖司 : ここ...オレのヒミツの場所なんだ...もうじきだぞ...

  これを, しずくに見せたかったんだ...おじいちゃんからしずくのこときいてさ...

  オレなにも応援しなかったから...自分のことばっかり考えてて...

  ■ : ううん...聖司がいたからがんばれたの...

  あたし背のびしてよかった...自分のこと, 前より少し判ったから...

  あたしもっと勉強する...だから高校へもいこうって決めたの...

  聖司 : しずく...あのさ...

  ■ : .......!?

  聖司 : オレ...いますぐってわけにはいかないけど...

  オレと結婚してくれないか!!!

  オレ, きっと一人前のバイオリンづくりになるから...

  そしたら...

  ■ : ウン...

  聖司 : ほんとうか!?

  ■ : うれしい! そうなれたらいいなって思ってた...

  聖司 : そうかァ- ヤッタァ-!!!

  ■ : まって...風つめたい...

  聖司 : しずく-! 大好きだ-!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

  ひとりぼ~っち...おそれず-に...生きようと...夢みて~た...

  さみし-さ...押しこめ~~~て...強い自分を守っていこ-...

  カントリ-ロ-ド この道 ず~~~っと ゆけば- あの街に- つづいて~~~る

  気がす-る- カントリ-ロ-ド......................................

  あるきつか~れ....たたずむと うかんでくる ふるさとの ま~~~ち

  おかを ま~~く さかの道~ そんな ぼく-を しかっている

  カントリ-ロ-ド この道 ず~~~っと ゆけば- あの街に- つづいて~~~る

  どんな くじけそうな 時だって 決して なみだは見せないで

  心なしか 歩調~~が はやくなっていく 思い出- けすため-

  カントリ-ロ-ド この道 ふるさと-へ つづいても

  ぼくは~ 行かない-さ 行けな-い カントリ-ロ-ド

  カントリ-ロ-ド 明日は いつもの ぼくさ- かえりたい かえれない

  さよなら カントリ-ロ-ド..........................................

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